2020年9月4日金曜日

いまだに百貨店の売上高にこだわるのはなぜ?


国内の経済動向に関するメディアのニュースなどでは、必ずと言っていいほど挙げられるのがデパートの売上高です。

つまり、「今年上半期のデパートの売上高」とか「昨年度のデパートの売上高」というふうな名目で発表されるのです。

でも正直言って、いまデパートの売上高を知ることは意味があるのでしょうか。

なぜなら一昔前に比べて大きく落ちており、いっときの小売業界の雄と呼ばれていた時代の栄光は少しも感じられないからです。

下に上げたコンビニ、スーパーなどとの売上高比較でもわかるように、デパートは今や衰退産業の代表的な業種で、もはや小売業の代表でもなんでもないのです。

したがってその売上を小売業の指標としてあげること自体あまり意味がないのです。



スーパー コンビニ 百貨店 売上高比較(2019

百貨店   7547億円

スーパー ⇒ 12兆4324億円

コンビニ ⇒ 11兆4456億円


デパート、百貨店に関するキーワードはネガティブなもが目立つ

・百貨店潰れる

・百貨店いらない

・百貨店儲からない

・百貨店人離れ


デパートの売上高はもはや経済の指標にならない?

国内経済における景気の指標としてよく引き合いに出されるデパートの売上高ですが、これははたして適当なことなのでしょうか。

なぜなら、過去はともかく、現在では売上高が大きく落ち込んでいて、同じ小売業のスーやコンビニなど比べて格段の差をつけられているからです。

落ち込みと言っても僅かなものなら問題はないのですが、従前に比べて半分以下というような大きな落ち込みだと、これはもう経済指標として参考にならないのではないでしょうか。

なぜなら、この落ち込みが経済状況の悪化だけによるものではなく、デパートという業態に構造上の問題によると考えられるからです。

つまりデパートは今や民衆から背を向けられつつあり、もはや日本におけるリーダー的な小売業とは言えなくなっていると考えれるからです。


デパートの凋落ぶりを示す象徴的な話

デパートは今大きく売上を落としています。

売上が下がれば顧客に対するサービスや設備投資にも影響します。要するにサービスも設備も悪くなるのです。

はっきり言って今のデパートはサービスが悪化し、店舗の設備も改善が遅れています。

それを示す象徴的な話を一つあげることにします。

これは地方の百貨店の話です。兵庫県H市には2つの老舗デパートがありましたが、そのうち1軒は深刻なデパート不況には勝てず、100年余の歴史を惜しまれながら2年前に閉店しました。

残りの1軒はJR駅前の好立地でなんとか生き残っているようですが、そのサービスはお寒いものです。

その代表的なのが店内のトイレの設備です。

いまや商店のトイレ設備といえば、ほとんどのところが最新のシャワートイレを整えています。

そうなのです。今や街の商店といえば、キレイなトイレが決り文句と言っていいでしょう。

ところがです。小売業の代表的な百貨店であるこの店は、なんといまだに旧式のトイレ設備のままなのです。

これはなんということでしょう。今では自宅でもシャワートイレを付けている家庭が少なくないというのに、有名デパートが未だに旧式トイレのままとは信じがたいことです。

でもこれは事実です。地方のデパートにはいまトイレを改装する費用も捻出できないほどの不況なのです。


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