2011年8月10日水曜日

アメリカ海軍特殊部隊“シールズ”隊員、アフガン紛争で多くの犠牲者・世界中の紛争地で大きな犠牲を払いつづけるアメリカ軍

米海軍特殊部隊シールズ
米海軍「特殊部隊」22人犠牲 アフガンのヘリ墜落

アフガニスタンでの北大西洋条約機構(NATO)軍のヘリ墜落により死亡した米兵の中に、米海軍の特殊部隊SEALSの22人が含まれていたことが分かった。

7日付の米紙ワシントン・ポストなどが報じた。
 
同紙によると、死亡した米兵らはアフガンの反政府勢力タリバーン幹部2人を狙った夜間急襲作戦の最中だった。

乗っていたヘリが、ロケット砲で撃たれたとみられている。タリバーンは、自分たちの攻撃で撃墜したと主張している。
 
SEALSは、国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者殺害作戦を担ったことで知られる。

死者の中には作戦を実行した部隊に属する兵士も多かったが、直接参加した兵士はいなかったという。米兵の死者数は当初は計31人とされていたが、30人に修正された。(ワシントン=望月洋嗣)
 
 記事は朝日新聞(2011/8/8)より

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世界の最精鋭部隊”シールズ”に多くの犠牲者

世界の警察とも呼ばれるアメリカ軍であるが、いつも地球上のあらゆ紛争の地へ出向いては、常に大きな犠牲をはらいながら、平和を取り戻す為に紛争当事国で日夜奮闘をつづけている。

その彼等に今回また悲惨な事故が起こってしまった。

それも今回は米国軍の精鋭中の精鋭、特殊部隊シールズ隊員の上に降りかかった大事故である。

シールズと言えば、つい最近アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者作戦に当たった特殊部隊の精鋭である。

こうした国が誇る最精鋭部隊の大きな犠牲に対して愚痴一つこぼさず、いつも勇気をもって果敢に紛争処理に当たるアメリカ軍に最大級の敬意をはらうと共に、犠牲者に心から深い哀悼の意を表したい。

さて、今回犠牲になったシールズという特殊部隊がいかに優れた隊員で構成されているかをご理解いただくために、この隊員資格を得るための筆舌に尽くしがたいほど厳しい訓練についてその内容を眺めてみよう。

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訓練課程


・基礎教育課程 (5週間)

志願者は、肉体と精神力の両面を評価され、SEALs勤務の条件を説明される。

・<SEAL体力審査テスト >

このPSTでは、志願者がSEALsへ入隊するにあたって、肉体的条件を満たしているか審査する。その審査の中に、1500フィート(457m)を12分30秒以内で横泳ぎまたは平泳ぎで泳ぐことや、2分以内で腕立て伏せを42回、同じく2分以内で腹筋運動を50回、1.5マイル(2.4km)をブーツを履いて11分30秒以内で走るなどが入っている。

・基礎水中爆破訓練
・基礎水中爆破訓練(Basic Underwater

Demolition/SEAL:通称BUD/S)はSEALs入隊の本訓練と言うべき過程である。大文字の頭文字から、通称バッズと呼ばれる事もある。特殊部隊の中でも、1・2位を争うほど厳しく過酷な訓練と言われており、年にもより様々だが、志願者のおよそ30~60%が脱落する鬼門である。

・第1段階:基礎訓練課程> (8週間)

最初の4週間は、ブーツを履いて4マイル走、フィンを付けての2マイル水泳、櫓登りや綱登りなどで構成される障害走、丸太担ぎ、ゴムボートでの訓練などの体力や精神力を極限まで追い詰める体力訓練を行う。多少の水中工作や船舶操縦術も訓練されるが、主なこの訓練の意味は、志願者のやる気や身体的・精神的な強靭さ、他の志願者とのチームワークを計ることである。

さらに、「水中順応訓練」(「溺死防止訓練」と呼ばれることもある)では、両手首両足首を縛られた状態でプールに投げ込まれる。この状態で20分間水面に浮いており、さらに、プールの底に落ちているフェイスマスクを取ってこなければならない。
また、部屋の整頓や装備品の整備も厳しくチェックされる。

この訓練の4週間目に「地獄週間
(ヘル・ウィーク)」というものが行われる。志願者たちは5~7名のチームを作らされ、5日間で体力を限界まで追い込む。その訓練内容には、何度もずぶ濡れにされて低体温症の瀬戸際まで立たされたり、腰まである泥の中を進みボートを数マイル運んだりもする。しかも、この地獄週間中の合計睡眠時間はわずか4時間しか与えられない。しかし、各訓練はチーム対抗戦となっており、課題を1位でクリアしたチームにはボーナス睡眠時間が1時間ほど与えられる。この地獄週間の主な意味は、あまりの過酷さに、醜態をさらさせて仲間よりも自分を優先させる志願者を暴くためである。
地獄週間を見事に突破した者は、少しの休息が与えられた後に水路学を4週間かけて学ぶ。

・;第2段階:潜水訓練課程> (8週間)

潜水技術や水中工作技術の向上を図る。この8週間で水中工作の基礎を教え込まれる。主に、開放式潜水器(圧縮空気を使用)や閉鎖式潜水器(100%の酸素使用)の訓練を受け、水中からの潜入のためスクーバダイビング術を学ぶ。なお、酸素濃度100%の気体を使用する場合、酸素中毒の関係から5メートル程しか潜水できない為、上陸作戦等の一部の作戦でしか使用できない。

・;第3段階:地上戦訓練課程> (9週間)

この段階に入ると、主に地上での戦闘訓練を行う。銃器や爆発物の取扱、精密射撃、長距離偵察、ロッククライミング、航法、隠密潜入および離脱、小部隊戦術などが訓練される。この訓練の合間もほぼぎりぎりの制限時間が与えられた長距離走や長距離水泳が行われる。
この訓練の最後の3週間半は、カリフォルニア州サン・クレメンテ島で、今まで教わってきたことを活かし、広範囲な演習を行う。

訓練の間、担当教官らによる審議会(段階審査会と専門審査会)が行われ、能力不足のものに失格が言い渡される場合もある。また、残留が決定したとしても、1つ後のクラスに再履修生として廻される事もある。
なお、この一連の訓練が終了すればBUD/Sを卒業したと看做され、卒業式が行われるが、SEALの訓練はまだ続けられる。

最終訓練

・空挺降下訓練 (3週間)

BUD/Sが終了した後も、まだSEAL入隊のための訓練が続けられる。SEAL候補生は、民間訓練施設(元SEAL隊員が運営)(かつては長年ジョージア州ベニング基地の陸軍空挺学校で行われていた)空挺降下訓練に励む。訓練コースは3週間続き、第1週間は地上訓練で、降下と着地の基本技術を学ぶ。

2週間目は高さ10.4mの塔からの降下着地訓練や、ブランコ式の着地訓練を装置を使っての訓練が行われる。3週目になると兵士たちはだんだん難易度を上げながら、夜間1回を含む5回のパラシュート降下を行う。無事に降下を終えた者たちは「空挺降下資格者」となる。

・SEAL資格訓練(SQT) (15週間)

この訓練を受けるため、海軍特殊戦センターに戻り、15週間も訓練を行う。通信技術や舟艇操縦技術、近接戦闘、狙撃、空挺降下などを訓練する。この訓練の意味は、SEAL候補生を実際にSEALsとしての作戦に従事できる水準までに引き上げる事である。このSQTに合格すれば、海軍特殊戦章「三又鉾」を授与され、SEAL海軍下士官兵適性区分(NEC)コードを与えられる。

・基礎寒冷地海洋訓練 (3週間)

SQTの後、最初の作戦部隊の配属される前の3週間は、アラスカ州コディアック島で寒中訓練を受ける。
その後は、SEALs隊員として作戦に従事するが、常時行われる実行訓練プログラムでは、外国語や30週間の衛生コースなどの技能を学ぶ。
 ここまでおよそ2年6ヶ月かかるといわれている。

   インターネット「ウィキペディア」より

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