2011年4月27日水曜日

いま「シェア」の時代なのか・所有から共有への意識の変化

いま巷間でよく耳にするようになった「シェア」とはいったい何を意味する言葉なのであろうか。

シェアとは「分け前」とか「分け合い」あるいは「共有」という意味である。

ではなぜその言葉に今熱い視線が向けられているのであろうか。

いま東日本巨大地震の被災者に向けた募金活動が国内を問わず世界中の国々で過去に例を見ないほど大きな盛り上がりを見せている。

人々をここまで駆り立てているのはいったい何であるのだろうか。

それは決して災害の大きさに比例するだけのものではないように思われる。

それはむしろ近年国内外を問わず急激にに高まってきている人々(特に若者)の社会貢献に対する意識の高まりによるものではないのだろうか。

つまり不遇な立場にいる人々とその困難や苦労を共に分かちあおうと言う精神のあらわれではないのか。

それに加えて格差社会と言われる今の世の中を少しでも平等な方向へ持っていこうとする人々の行動のあらわれなのかもしれない。

いまシェアビジネスに熱い視線が

何もこれは社会貢献という名の奉仕活動の分野だけでなく、今やビジネスの世界にもこのシェアという考え方は広く浸透しつつあるのだ。

例えばCO2削減の目的で車の増加を押さえる為の自家用車の共同所有。

あるいは管理が行き届く共同墓地の促進。はてまた高齢者の孤独化を防ぐシェアハウスの普及促進運動などなどなど。

身のまわりだけでも数多くのこうした新形態のビジネスの出現を目にするようになってきているのだ。

こうした社会の現象はまさに今の世の中が所有社会から共有社界へと変身を図ろうとしているようにも見えてくる。

こうした現象が今大きく社会に広がろうとしているのは先ほど述べたように人々の「分かち合い」の精神と共に、無駄を廃する合理化精神に目覚めたからであるとも言えるのではなかろうか。

つまり、たまにしか乗らない車、たまにしか着ない高級な着物や洋服などを何も高いお金をかけて所有する必要はなくレンタルですませばいいという考え方である。

このように物の所有に対する人々の価値観が大きく変わってきているのである。

もちろん一部の人たちの間にはこうした考えは以前からあったに違いない。

例えば持ち家主義ではなく借家主義であるというような。

しかし今起っている一連のムーブメントは決して一部の人たちの間のことではなくなってきているのである。

そして、そうした人々の価値観の変化に対応する為に出てきたのが数々の「シェアビジネス」なのである。

これを一時だけの一過性のブームと見るか、今後普遍的に続くものであると見るかは現時点では不明である。

それがはっきり見えてくるのは日本経済が不況を脱して再び景気を取り戻した時ではなかろうか。

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