ひさしを貸して母屋を取られる
創業
パナソニック 1918年
サムスン 1969年
売上(2010年)
(パナソニック)
売上高、8兆9000億円、営業利益は62.8%増の3100億円。 通期の営業利益率は3.5%。サムスンと比べて、売上げ規模以上に、
収益性では大きな差がみられる。
(サムスン)
売上高、約11兆5000億円。営業利益11.1%、17兆3000億ウォン。日本円では約1兆2900億円となる。いずれも過去最高を記録している。
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2011年6月6日のわたしのブログ「ついに世界一のIT企業に成長した・韓国の巨大企業サムスン」にも書いたように韓国サムスンは、2010年にアメリカのヒューレットパッカードや日本のIT企業のすべてを抜き去って一躍世界のIT企業のトップにのし上がった。
では、それまで長年の間、世界市場に君臨し続けたわが国の代表的企業であるパナソニックはいったいどうして後発のサムスンにあっさりと敗れ去ってしまったのであろうか。
本日のこのブログでは、その辺の事情をいろいろな角度から探っていくことにする。
上にあげているように、両社の最近の売上高と利益率を比較してみると、売上高はサムソンが2兆6000億円パナソニックを上回っているのだが、それ以上に驚かされるのは、両社の利益率の差の大きさである。
パナソニックの営業利益が売上高の3.5%に対して、サムスンは実に率にして11,1%という3倍以上の利益をあげているのである。
日本に比べてまだ人件費の安い韓国であるがゆえに、企業の平均利益率も日本を上回るのはある程度理解できるが、しかし日本を代表する企業パナソニックとの間ににこれほどの差があるとは驚きだ。
サムスンの利益率が高すぎるということは認めるとしても、これだけの差をつけられるとは、数年前までは誰しも予想できなかったに違いない。
人件費の問題はさておき、パナソニックがサムスンに負けた理由はこのほかにもたくさんある。
では、ここににその主だったものを並べてみることにする。
・日本の企業が技術系の人間を優遇しなかったから(給料は文系の2倍でもいい)
日本では技術系社員と事務系社員の給料の差がそれほど大きくないが、韓国では理系の給料はは文系のの2倍ぐらい高い。
・日本の電機業界はすでに政府から見放されている。
これは過去にアメリカで起こったことと まったく一緒。
・いい物を安く作らなければ駄目なのに、いまの日本では安く作りようがない
これは実力以上に高くなりすぎた日本の人件費に問題がある。
・サムスンは日本の技術系社員を大量に引き抜いて(給料を3倍〜5倍にする)
いまは一時より減ったが、過去の一時期などのサムスンには日本からの引き抜かれた技術者は、技術顧問というポストだけでも80余名の社員を擁していた。
・日本は技術系を冷遇しすぎ
日本で技術系と事務系にそれほど給料の差がないのは悪平等ではないか。これは技術系優先という世界的な傾向にも逆行している。
・サムスンに比べてパナソニックの人材の質が低い
日本には同系の企業が多いせいか、優秀な人材が散逸し、不足しているのは事実で、それは技術系に限らず、欧米のマーケティング担当者などにもおいても同じで、海外営業戦略などにおいても、サムスンに大きく遅れをとっている。
・国策のサムスンには勝てない
サムスンは国から制度上のいろいろなメリットを与えられているが、パナソニックはそうしたものは皆無。
・サムスンの利益率は異常
国から受ける恩恵もあってか、この会社の利益率は世界のどの国の会社と比べても群を抜いている。
特に半導体と携帯電話は世界シェアも大きく、この分野の利益率は他社の追随を許さない。
・なめていた隣の国に、気が付いたら抜かれてたという事実を日本人は素直に受け入れるべきだ。
はっきりいって日本人は韓国人をなめていた。今日の事態になることなど予想もつかず、韓国に対して必要以上に技術指導を提供しすぎた。
・今、シェアトップを奪われているとしても、技術力はまだ日本に分がある。
サムスンの工場の生産現場に行ってみればよく分かると思うが、日本の技術者のいかに多いことか。 一時期は日本人の技術顧問だけで77名もいた。
サムスンで作っている製品の製造装置、基幹装置は全て日本製という事実を結構しらない人は多い。
・現代自動車にしろ、サムスン・LGにしろ今は全世界で絶好調だが、長くは続かない。
彼らは攻めてる時には異常なまでの力を発揮するが、 守りにまわった時(首位を守る立場になった時の今)の脆さは国民性だ。
そのとき日本に再びチャンスがめぐってくる。
とにかくそのときまで持ちこたえなければいけない。
ガンバレ、ガンバレ!日本。
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