2011年3月4日金曜日

週刊誌はなぜ売れなくなったのか?・電車の棚から読み捨ての週刊誌が消えた!

わが国の書籍の販売高はもう随分長期にわたって減少が続いている。

特に雑誌の売上高の落ち込みは大きく、実に13年もの長きに渡り連続して前年売上を下まわっているのである。

雑誌を含め書籍全体の売上金額はついに2兆円を切り、ピークだった1996年の2兆6563億円と比べ、実に3割も減っているのである。

皆さんも同じだろうとは思うが、私自身もう何年も前から電車の棚に読み捨てられた週刊誌を見たことがない。

以前だと車両の棚を見渡すと必ずと言っていいほどどこかに週刊誌や新聞の読み捨てたものが乗っていたのだが、近頃では週刊誌どころか新聞さえ見なくなったのである。

いったいこれはどうしたことであろうか。

その理由についてはこれまで考えあぐねていたのだが、「13年間連続の書籍売上高減少」ということを知ってはじめてそれが理解できた。

つまり電車の棚に読み捨てられたものが乗るほど週刊誌などの雑誌は売れてないのである。

では週刊誌をはじめその他雑誌類の販売高はなぜこうも減少に次ぐ減少を続けているのであろうか。

かつては破竹の勢いで発行部数を伸ばしていたあの週刊誌を含む雑誌類がである。

私がいま「週刊誌」という名前を聞けば、なんと言っても懐かしく思い出すのは週刊文春の「疑惑の銃弾」というセンセーショナルなスクープ記事のシリーズである。

あのシリーズ記事が掲載されていた頃は毎週の発売日を今か今かと待ち続けたものだ。

また夜の酒場の世界では、ママさんやホステス嬢は出勤前にしこたま週刊誌を読み込んで客との会話の話題に備えていたというまだ巷にカラオケが普及していなかった時代の話も懐かしい。

それら水商売に従事する女性たちはその頃の週刊誌の売上に大きく貢献していたに違いない。

しかし今では彼女らが未だに週刊誌を熱心に読んでいるという話などまったく聞くことはない。

インターネット全盛の昨今はもう週刊誌でスキャンダルをを売る時代ではないのだろうか。

それを知るためにはネットの「2チャンネル」あたりでじゅうぶん用が足りるのであろうか。

私個人としては何故か昨年の「鈴木宗男氏収監」に関する報道を契機に「スキャンダル情報」というものが一時代に終りを告げたような気がするのである。

元ライブドアーの堀江貴文氏は週刊誌の売上減少についてあるインタビューで次のように述べている。

「週刊誌が売れないのは読みたくないモノもパックにして載せられているからであり、ネット時代の今は記事を切り売りして読者が読みたいものだけ記事単位で購入できるようにしたほうがいい・・・・」

さすがかつてのウェブサービス界で時代の寵児と呼ばれた人だけに鋭い意見だ。

何と言っても毎日電車通勤をしている者として、荷物棚に読み捨ての週刊誌を見つけることが出来無くなったのはさびしいかぎりだ。

なにはともあれ、わが国の出版文化を守るためにもついに2兆円を切ってしまった書籍・雑誌の売上を今後少しでも回復させて欲しいものである。

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