2011年3月30日水曜日

ニュージーランド地震の犠牲者・なぜ日本人看護師が多かったのか

ニュージーランド地震
ある「ツイッター」の書き込み

「ニュージーランド地震では大勢の看護師が亡くなった。海外に目を向けた医療関係者が多くなっているのですね。かたや国内は医療従事者の偏在が課題。閉塞感が原因?でしょうか」
3:15 AM Feb 27th Echofonから 1人がリツイート

上にあるのは2月末に「ツイッター」に書き込まれたニュージーランド地震についてのコメントである。

海外で起こったこととは言え、多くの日本人犠牲者を出した大きな地震災害であったにもかかわらず、その後すぐ起った東北大地震の陰にすっかり隠れてしまいこの地震についてその後の顛末などメディアが報ずることもほとんどなくなっている。

もちろん規模の上では東北大地震の未曾有の大災害とは比較することは出来ないが、あの地震の犠牲者には数はともかく一つの大きな特徴がある。

それは26名の死者(まだ2名が行方不明)の内その多くが看護師であるということである。

そう聞くと何か看護師の団体がツアーでこの地を訪問していたかのようも聞こえるが、そうではなくそれらの人々は現地に留学生として滞在していたのである。

ではなぜニュージーランドという地へ彼(彼女)らは留学におもむいたのであろうか。

一般的に日本人の留学先はアメリカとイギリスなどの欧米が主体であったはずなのである。

しかしこの人たちは違っていてニュージーランドを留学先に選んだのである。

その理由の一つはオーストラリアとかニュージーランドには看護師のための留学施設が多いということがある。

ちなみにネットで看護師留学として検索するとまっ先にに出てくるのがこの地の教育施設である。

第二に国際看護師という方向に進もうとする人たちは英語の習得が大切で、それには英語を母国語としている国できちんとした語学を習得したいという狙いもあったのだと思う。

それゆえイギリスに近い発音の英語が使われているニュージーランドを選んだのではないだろうか。

三番目の理由としては長期にわたる留学のコストを考えて英語圏では一番生活費がかからない国としてこの地を選んだとも考えられる。(ニュージーランドは物価が安い国として有名)

そもそもこの人たちがそうした生活環境を選んだのも将来は国際看護師として世界各地で社会貢献を果たそうという高邁な目的をもっており、物見遊山で留学したのとは大違いで将来の活動に備えた倹約精神も十分に備えていたと思われるからである。

私は3月23日のブログに「社会起業とは何か?・いま世界の若者の熱い視線を浴びる社会貢献とは」というタイトルの記事を書いた。

その中で「今の若者の中には社会貢献に大きな関心を抱いている人たちが多い」と述べたが、まさに今回のニュージーランド地震の犠牲者こそがそういう人たちであったのに違いない。

これこそがいま若者に社会貢献を目指す者が多くなったという証左である。

そうした高邁で立派な目的を果たすことなく彼(彼女)たちが海外の地で尊い命を失ってしまったのは悔やんでも悔やみきらない。

私たちは「社会貢献」という誇らしい夢を抱きながら異国の地で散っていったこの人たちのことを決して忘れてはならない。

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