2010年12月7日火曜日

客が来ていない「年賀ハガキ」街頭販売・年の瀬トピックス(2)

日曜日の午前10時、図書館への行きすがら街角で「年賀ハガキの街頭販売」をしている人の姿が目に入った。

折りたたみ式の長机の上には山のようなハガキの束が置かれており、机の両側には大きなのぼりが立てられていて、その間に2人の女の人が「客待ち顔」でたたずんでいた。

こうした年賀ハガキの街頭販売は数年前から目にするようになったのだが、通りすがりに見た感じではどうも売れ行きは芳しくないようなのである。

今年に入ってもう幾度も目にしているが売場に客が立っている姿を見たことがない。

小さな机の前に大の大人が二人も陣取っていて、これっていったい商売になっているのだろうか。

見たときはいつもそう思うのである。

だがそれ以前の問題として、はたして年賀ハガキの街頭販売など必要なのだろうか?

携帯電話やネットのメールなどの影響を受けて年々売上が減少してきていて、そうしたことへの対抗策であるのはよく分かる。

でも考えてみれば、多くの人々にとって「年賀ハガキ」は言わば年末の必需品であり、黙っていても郵便局の窓口に買いに行くのである。

しかもそういう人々は売り切れを心配して比較的早い時期に購入するのが普通である。

したがって、年末に郵便局の窓口で購入するのが習慣になっているそうした人々の目には、こうした街頭販売は仰々しく見えてなんとなく近づき難い印象を与えるのではないだろうか。

それにバーゲンセールようなイメージはなんとなく安っぽい雰囲気を醸し出しているようにも見えるのである。

そもそも年賀ハガキといえば「年始の挨拶」に使う言わば「一種の儀礼」の為の大切なツールであり、それが安っぽく見えては困るのである。

ましてや、そこで買ったとしても何の特典もなく値段も窓口と同じであればその思いは一層であろう。

まあそれはそうとして、販売戦略としても費用対効果の点から考えてもあまり感心しない商法である。

もし効果をあげようと思うなら、郵便局窓口で購入するのとは違う何らかのメリットを与えなければいけないのではなかろうか。

そうでないかぎり、客としては「安心」を買うために、どちらかと言えば窓口の方へ流れるのではないだろうか。

こうした理由もあって、一時は「年末の風物詩」になるかとも思えたこの「年賀ハガキ」の街頭販売風景だが、予測としては今後比較的早い段階で姿を消していくもののひとつになるのではないだろうか。

要は商品の性格上、積極的な販売戦略は必要でなく、それを行うことは逆にマイナス効果を生むだけではないかということなのである。

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